コロナ渦の中、経済は滞り先行きが見通せない状態が続いています。

そんな中、自動車業界は潜在的な需要が逆に表面化され、新車においてはトヨタが営業利益を大幅に上方修正するなど元気なニュースが飛び込んできています。

この波に上手く乗ることができれば、企業の大きな成長も夢ではありませんね。

今なぜ車が売れているのか、確実な利益を生み出すためにすべきことは何か、これらを検証し、確実かつ安定的に顧客を獲得するチャンスとも言えるでしょう。

需要に見合う的確な供給の実践で、事業の拡大、安定化を図ることが早急な課題となっている今、待ったなしで策を講じる事が重要になってきております。

車屋さんはなぜ仕入れが重要なのか

いくら需要があるとはいっても、利益を見込む事ができなければ事業として成り立つのは難しく、利益を上げる為に苦戦されている車屋さんが多いのも現実ではないでしょうか。

安定した仕入れで常にユーザーの満足度を満たせるよう準備しておく必要があり、その上で確実に利益を生み出す為にすべき事は、少しでも安く状態の良い車を確保する事に他なりません。

そのために日夜駆け回っている車屋さんには、時間の余裕すらないのです。

中古車の場合、ボディーに傷やへこみがないか、エアコン・バッテリー・カーステレオなど電気系統から、修理歴などチェックした上で、顧客の手元に届ける前にしっかりとメンテナンスを施します。

その後のアフターフォローなど含めて長いお付き合いが続くのも街の頼もしい車屋さんの魅力です。

ユーザーの幅広い要求に答えて満足度を上げる為には、豊富な品揃え確かな品質、そして適正な価格が最も重要なポイントになります。

その為には少しでも安く仕入れる知識と工夫が最も求められています。

今やネットでも車が購入できる時代だからこそ、いかにコストを抑えて車を仕入れることができるかにかかっているといっても過言ではありません。必然的に複数の仕入れ先が必要になります。

どれだけの仕入れ先を用意できるかで潤滑な事業を進められるか、その方向性が決まってくるからです。

手持ちの資金をどのくらい準備できるか、また一台いくらで購入するかで仕入れる台数や利益も決まります。

当然、安く仕入れるほどたくさんの台数を用意できる上、お店の利益にも反映されます。

車屋さんにとっていかに仕入れが重要か、おわかりいただけるでしょう。

利益が出るかどうかはズバリ仕入れにかかっています。

仕入れ先を確保する事ができれば、8割方事業は成功するというほど重要であり、また難しいポイントです。

中古車の主な仕入れ方法について

では実際にどのような仕入れ方法があるのか見ていきましょう。

新車のように同一規格ではない中古車市場において、まず目利きが必要となります。

年式や型式、カラー、人気車種を基本としつつボディーの状態を確認していきますが、一台ずつチェックするのはなかなか面倒な作業です。

〇中古車オークション

インターネットが普及している現代社会で、今最も注目されているのがネットオークションです。

すべてのオークションが毎日どこかで行なわれているほど、さかんに取引が行なわれています。

車屋さんにとっても重宝する代表的な仕入れ方法の一つといえるでしょう。

会費を払って参加する有料オークションサイトも存在しています。

いわゆるオートオークションもこれに含まれますが、こちらはより質の良い人気車種を取り揃えており、プロ御用達といえるでしょう。

こちらは業者間同士で行なわれるため基本的に信用度が高くなっています。

中古車オークションの仕組みについてはこちら

〇業販

車屋さんといえば昔から業販店の存在が大きく、今でも大きなシェアを占めています。

地域に密着したお店はしっかりと固定客を持っているところが多く、アフターフォローも手厚く安心感を与えています。

特にディーラーによる店舗が少ない地方では大きな影響力を持っています。

ただ1店舗自体は予算とスペースが限られているため、たくさんの展示車を店頭に並べることが困難です。

その解決法として業販店同士のネットワークを構築し、互いに協力し合うシステムがよく利用されています。

それぞれの在庫を共有し合うことで無駄を省き取引をスムーズに行ない、なおかつ利益を生み出すことにつながっていきます。

素早く顧客のニーズに合致した車を探し出し、その分の時間と手間も大きく省くことができる頼もしいシステムですね。

業販情報についてはこちら

〇買取り

中古車の売買の鉄則、安く仕入れて高く販売することができれば、高い利益を見込むことができます。

例えばオークションや中古車販売会場に並んでいる車も、もともとは個人のユーザーから買い取られたり下取りに出されていたものです。

直接買い取りができればそれだけ安く仕入れることができる上、売主にもその分上乗して支払えば双方に満足いく取引となります。

仕入れの方法としては最も利益が見込まれますが、実際のところ件数も少ないため、なかなか成約に結びつく確率が低いのが現状ではないでしょうか。

中古車を査定する時の査定項目についてはこちら

〇下取り

車を買い換えるとき、ユーザーが愛車を買い換え先のお店で引き取ってもらうケースを指しますが、今でも多くの取引が行なわれています。

自身でオークションに参加したり、買い取り専門業者に持ち込む人も増えてきましたが、まだまだ乗り換えの際に、同じお店で下取りに出すことが多いのは変わりありません。

面倒な手間をすべてお店で代行してもらえて、かつ値引きにも反映される事があり、顧客とお店の信頼関係を築くのにも有効です。

またよく知っているお客様の車の状態ですから、わざわざ下見する手間も省くことができて、時間短縮も可能です。

中古車の仕入れの難しさ

多様化する一般ユーザーのニーズに応えるのは決して容易なことではありません。

仕入れの予算や展示スペースは限られています。

普段の業務に加えて仕入れに時間を割く余裕はそうそう作ることができないのが実状ではないでしょうか。

また事前にしっかりと車の状態を下見する必要もあるので、さらに時間がかかってしまいます。

仕入ればかりに力を入れるわけにはいかない車屋さんの悩みも早々解決できません。

大量に中古車を仕入れて販売したいのは当然ですが、費用と手間を考えると簡単にはいきませんね。

新車の仕入れについて

車屋さんが店頭で販売するのは中古車だけではありません。

顧客のニーズに応えるべくもちろん新車も手がけています。

これもお店の努力によるものが大きいといえるでしょう。

最近ではむしろCO2削減の対策として推進されている新車の方が顕著に数字も伸びています。

ハイブリッド車や電気自動車などエコカーへの税金の優遇も追い風になっています。

ぜひこの機会に新車も潤沢に仕入れて販売台して新たな顧客層の開拓も進めていきたいものです。

〇業販(ディーラー)

老舗の車屋さんは、各ディーラーと長年良好な関係を築きつつ、大切な顧客のユーザーに新車を提供し続けてきました。

直販店であるディーラーと変わらぬ価格とそれ以上のサービスで期待に応え続けるその努力には頭が下がる思いです。

ただ新鋭の車屋さんにはなかなか敷居が高く、ディーラーと取引の機会までこぎつけるまでが至難ともいえます。

利益を出すためには仕入れ価格を有利に設定するのが最も重要なポイントですが、そこまでの関係を築くのに時間がかかるのも無理ありません。

お互いの利益供与につながる信頼関係を作り上げるには時間とたゆまぬ営業努力を要します。

〇業販(加盟店)

新車を卸す会社の加盟店になって、新車を仕入れる方法があります。

ディーラーとの販路がない車屋さんにとっては、希望のメーカー新車を手に入れる新たな手段として活用することができます。

提携先の新車を手配してもらえるので、顧客のニーズにマッチした車を用意することができて満足度も上がります。

価格はネットワークによりますが、業販価格と変わらないところもあります。

 

また仕入れ方法にも特徴があります。

車屋さんの仕入れは車自体が高価なため、仕入れ金額も大きいです。

店頭に展示するだけの台数を仕入れるためには、ある程度の資金が必要になります。

業販(加盟店)の場合はリースでの仕入れが可能ですので、仕入れコストを抑える事ができ、仕入れから販売までの車屋さんの負担が軽減される事も非常に大きなメリットと言えるでしょう。

新車の仕入れ情報はこちら

新車仕入れの難しさ

コロナ渦において、車による移動手段が見直されるようになり、中古車、新車ともに需要が高まってきています。

ただ新車の場合、オークションで手に入れることはできないのでどうしてもディーラーか、ディーラーと取引のある企業から仕入れるしか方法がありません。

お店を訪れるお客様や、お問い合わせが増えても肝心の新車が手に入らなければどうしようもありません。

かと言って、いきなり実績もないのにディーラーとの取引は困難です。

せっかく需要が生まれているのに商品がなければ商売として成り立ちません。

このように多くの車屋さんとしても利益が出るとわかっているのに新車の仕入れに困っているのも現実問題となっています。

まとめ

時代の流れによって車の需要が縮小していくかのような風潮もありましたが、 実は私たちの生活に不可欠な移動手段として今、見直されつつあります。

そして地球温暖化に配慮したニューモデルが続々発売され、新車の需要が加速しています。

ここで商機を逃さず、上昇の波に乗るためにも車の仕入れ方法をしっかりと確立し、安定して供給を行えるよう今一番注力すべき点である事は間違いありません。

①状態の良い中古車をユーザーの希望に応じて迅速に用意する。

②ディーラーと変わらない価格とそれ以上のサービス、アフターフォローを充実させる。

③既存の顧客満足度の向上と新規顧客の獲得。

など、今までの営業スタイルにとらわれる事なく、業界の新しいシステム、サービスを上手に取り入れ拡販に務める事が求められているのではないでしょうか。