ちまたでよく耳にする「カーリース」は、手元にまとまった資金がなくても希望の車に乗ることができ大変便利と言われています。

しかし、実はその仕組みについてはよく知らないという方は少なくないでしょう。

最近では、個人の利用だけでなく、法人でも広く知られていますが、実は個人よりも法人利用の方が歴史も古く、また幅広く活用されています。

では実際のところ、お得なのか、否か、導入するべきか、今回はそのあたりを検証していきましょう。

社用車リースとは

ご存じの通り、業務に使用される働く車のことを社用車と言います。

営業車や商用車、業務用車とも言われています。

企業が購入して所有、管理を行いますが、車を使用する企業に代わってリース会社が車を購入、保有し年単位で貸し出す「法人リース」という仕組みがあります。

レンタカーと大きく異なる点は、3年から5年と長期に渡り契約を締結することです。

車検証上の所有者はリース会社、使用者が企業となります。

そのため、自動車税、車検、自賠責保険の負担義務は、所有者であるリース会社が手続きおよび管理を行うことになります。

任意保険はそれぞれ企業単位で加入するのが一般的ですが、中にはリース契約のオプションとして、指定の損害保険会社で加入すれば特典が受けられるサービスもあります。

取り扱う車種は国産車のほとんどをカバーしており、また外車を取り扱う店舗もあり、現在はほぼ全希望車種のリースが可能です。

個人ユーザーによるマイカーリースとの違いは、車を使用する目的が明確であり、それに従って必要な車種を選択しており、業務以外の使用を想定していないという点です。

そのため、社用車に特化したモデルも多く利用されています。

こちらも良く読まれています↓
社用車(商用車)とは?抑えておきたい社用車のルール

社用車はローンとリースで何が違う?

企業が所有する場合は一括購入かローンを組むことになりますが、ここではローンとリースの違いを詳しく見ていきましょう。

ローン購入 リースを利用
所有者 販売店(支払い完了後は企業) リース会社
使用者 企業 企業
税負担車 企業 リース会社
車の管理 企業 リース会社
車検 企業 リース会社
自賠責保険 企業 リース会社
任意保険 企業 企業
月々の費用 ローンの支払い リース会社
経理処理 固定資産として計上(減価償却) 利用料をそのまま経費として計上

 

企業がローンで社用車を購入した場合、固定資産となるため、新車であれば6年かけて減価償却していきます。

これは車の耐用年数をもとに計算しているためで、購入初年度に全てを経費として計上することは出来ません。

中古車は何年経過しているかで変わりますが、4年ほど経っていればほとんどを当年度に計上できるメリットがあります。

多額の利益が出そうな年度でしたら、一気に損金算入して相殺可能ですが、自社で所有するため、それに伴う煩雑な経理処理に加えて、車を管理する必要が出てきます。

毎年かかる自動車税、定期点検、車検や自賠責保険の手続きなど、計画を立て、常に遅滞なくとり行わなければなりません。

そのための業務、人材配置も用意するなど、本来の仕事とは別の仕事が増えることになります。

ローン完済後は、晴れて自己所有となりますが、乗り換えるときは売却損益の計上など経理処理が発生します。

 

一方、法人リースの場合は、月々の利用料をそのまま経費として計上できます。

利用料、任意保険料、燃料費のみ負担するため経理処理も簡単に済みます。

月々の支払い分には、自動車税や自賠責保険料などの諸経費が含まれて計算されるため、ローンよりは高くなっていることが多いです。

毎年の出費として計画を立てやすく、また資金の流れも見通せるため、経営の負担を軽減します。

リースの契約期間満了後は、返却するか残価を支払って引き取ることになりますが、この場合も経理上の取り扱いはしやすいでしょう。

法人リースの場合、新車・中古車どっちがお得?

購入の場合、前述のとおり中古車なら一気に経費として計上できるため、節税効果を高める目的で4年落ちの中古車などを検討するのも手です。

しかし、リースとなるとその効果は望めません。

ただし、部品交換や修理などのメンテナンスは中古車の方が費用も手間もかさみます。

市場では中古車のカーリースは新車に比べると多くはありませんが、年式が古い分、月々のリース料金は安くなるケースが多く、毎月の経費を抑える効果があります。

車検や点検、整備はリース会社が行うため、そう心配することもないでしょうが、やはり耐用年数を考えると新車のカーリースをおすすめします。

もともとリース自体は期間を定めて使用する条件ですから、長く同じ車に乗り続けるのは珍しいと言えます。

期間満了後の再契約も可能ですが、リースの利用料や契約の条件は初回と変わる場合が多いため、ほとんどの企業は乗り換えを選択することが多いのが実情です。

乗り換えの度に新車をリースする方が賢い選択と言えるでしょう。

社用車リースのメリット

車のみならず企業における物品管理は、人材と手間を要します。

社用車を購入し、自社で管理している企業も存在しますが、そのための部署を設け、専任者を常駐させられるのは、人件費や労力を投じることができる安定した規模の企業であり、全ての会社が対応できるわけではありません。

安全走行の実施に欠かせない点検作業や整備、車検等も手配しなければならず、潤滑に事業を進めるためには一定数の人材をあてなければなりません。

そして固定資産として、経理処理を行い、毎年減価償却の計算をする手間も増えます。

リースなら、所有ではなく借りることになるため、車の定期的なメンテナンスは所有者であるリース会社が管理することになり、企業の負担は大幅に軽減されます。

利用料、任意保険料、燃料費は全て経費として処理され経理の簡素化をはかることができます。

利用料には、税金や自賠責保険、整備費用などの諸経費が上乗せされて計算されるため、ローンで購入する場合よりも月々の支払いは高くなります。

それでも諸々の手間が省かれ、かかる人件費のコストを差し引けば、かなり有利と言えます。

資金に余裕のない企業は、できるだけ手元に現金を確保するためにリースを活用するメリットは大きいでしょう。

契約期間は一定金額を支払えばよいので、不意の出費の心配が無く毎月の経費を計画的に用意できます。

社用車リースのデメリット

官公庁やバス、タクシーなどの運送業者関連企業は、自社で所有、管理しているところがほとんどです。

理由は購入費用を年間の支出としてあらかじめ予算を組んでいたり、また使用状況による消耗による要因で、リースの条件に不利となるケースも多いためです。

リース契約の締結時にはあらかじめ走行距離を定めて制限しています。

これは新車価格から期間満了後の予想残価価格を差し引いた金額により料金が設定されているため、その上限を超えて使用することにより著しい車の劣化が見られる場合、超過費用を請求されることになります。

そのため年間走行距離の長い業種には向かない形態といえます。

また原状回復が難しい改造を伴う職種も不向きになります。

最も気をつけるべき点は、不測の事態により社用車を必要としなくなったときです。

契約期間途中での解約は違約金が発生しますが、残った契約期間のリース料金だけでなくあらかじめ設定されている残価の負担も請求されるので注意が必要です。

最初に法人用カーリースを検討、申し込むときも個人同様審査があります。

立ち上げたばかりの実績の無い会社などは、通らないこともあります。

この点も頭に入れておいた方がよいでしょう。

社用車リースで良く選ばれる車種5選!

取締役や役付社員の送迎には、一般的な乗用車も用いられていますが、主に業務専用の社用車には共通点があります。

まず低価格であること、そのためには広く流通している車種が一番の条件と言えるでしょう。

また効率よく人や荷物を運搬できるスペースの確保も重要なポイントになります。

営業車でしたら、燃費も考慮に入れる必要があります。

これらの要素をもとに各リース会社の人気車種をまとめておきましたので、是非参考にして下さい。

◯スズキ「エブリィバン」

今や商用車の定番ともいえるスズキのエブリィ、各リース会社でもダントツに人気の高い車です。

このクラスの軽としてはトップクラスの室内サイズがその理由と言えます。

コンパクトでありながら荷物もしっかり詰めるため、配送業から小売業、建設業など用途も幅広く利用されています。

駐車スペースも確保しやすいサイズなので、ビジネス用に最適です。

狭い道でも小回りがきいて運転しやすく、また開口部が広く低床に設計されており、荷物の積み下ろしや乗り降りしやすいのも社用車として申し分ないポイントでしょう。

同じようにダイハツのハイゼット、日産NVクリッパーがあげられます。

◯トヨタ「ハイエース」

より多くの人や荷物を運ぶなら大きいサイズとしてトヨタのハイエースがトップクラスです。

とにかく大容量の積載を可能にしてくれる頼もしいビジネスパートナーとなる車です。

実際街中でもよく見かけるモデルではないでしょうか。

使い勝手の良さはお墨付きです。

法人用でなく個人ユーザーも多いのが特徴です。

耐久性にも優れており、中古車の市場でも人気車種です

ライバル車としては、日産のキャラバンが有名です。

どちらも効率よく人や荷物の送迎運搬に役立ちます。

またモデルチェンジが少ないのも魅力の一つかもしれません。

◯トヨタ「プロボックス」

いわゆる外回りの営業車として、よく見かける車です。

ある程度の荷物もしっかり積み込めるうえに、運転席のスペースも十分確保され、長時間乗車しても疲れにくいため根強い人気を保っています。

トヨタには類似したサクシードも社用車としてよく使われていますが、若干価格が高くなっています。

◯日産「ノート」

コンパクトカーの中でも広い空間を実現したノートは最近特に需要が増えてきている車です。

ハイブリッド車でありながら低価格設定でお得感が得られます。

このクラスでは抜群の燃費の良さも見逃せません。

年齢性別を問わず運転しやすいのも好評の要因でしょう。

走行時の騒音も少なく、エコが叫ばれる現代社会にマッチした社用車と言えます。

◯スズキ「アルトバン」

ズバリ低価格で選ぶなら、スズキアルトの商用車タイプ、アルトバンがイチオシです。

各リース会社もおすすめ特選車としてご案内するほどの優等生です。

まず月々の利用料金が安く、経費の節減になるうえ、更に低燃費で燃料費も低く抑えることができます。

コンパクトなミニバンでありながら、広い開口部で荷物の出し入れも容易で、運転席の視野も大きくストレスのない走行を可能にしています。

 

一概に社用車といっても、業務内容によって多種多様な車種が用意されています。

そのほとんどで購入という選択肢だけでなく、法人リースも利用できるようになっています。

車を選ぶだけではなく、購入かカーリースかを選択するのも経営上大切な事項であることは間違いありません。

事業を推し進めていくうえで、余裕のある運転資金を常に手元にキープしておくのは経営者であれば当然のことでしょう。

そのためには、なるべく出費を抑えることが重要となります。

社用車を購入して減価償却していくのも一つの方法ですが、そのためには管理面や経理上の手間も避けることはできません。

人材にかかるコストも発生します。

 

一方、法人リースを利用することにより、本業以外の煩わしい作業から解放され、本来の業務の遂行に大いに貢献し、結果として余計な業務や人材の充当も必要なくなります。

経理処理も、損金として処理するだけで済み、簡素化につながります。

本業に専念して利益を追求できるうえに、複雑な税務処理もシンプルになる大きなメリットがあります。

毎月の利用料は一定しているので、年間計画も立てやすくなると言えます。

商用車はCarLineリースがお得!

CarLineリース

CarLineリースでは商用車専門でカーリースのご提供をしております。

月々の費用を定額で抑える事ができ、車検や税金などの心配も不要です!

社用車として車が必要な方や福祉車両を検討されている方、または個人の方でも商用車として利用する場合はリース契約が可能です。

まとまったお金も必要なく、定期的に新車に乗り換えられますので、商用車のご購入をお考えの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

まとめ

前述のとおり、会社の設立がまだ浅いうちは審査を通らない場合もあります。

さらに年間走行距離の把握、リース期間に過不足がないか、良く検討することも大切です。

今では社用車のリースに異業種からの参入も始まり、各リース会社によって独自のサービスの展開を打ち出しています。

自社に適したプラン、サービスをプロに相談のうえ熟考するようにしましょう。