日本は国内に多くの自動車メーカーがある自動車大国のひとつです。

中でも、通称「TNH」と呼ばれるトヨタ(T)・日産(N)・ホンダ(H)の三大メーカーが国内のトップ3となっています。

これらは自動車業界に詳しくない方でも、知らない人はいないほど有名な企業です。

その中でも、近年の先進技術を取り入れるスピードが特に速いのが日産です。

2020年2月現在、日産は電気自動車の普及や自動運転技術の一部導入などを既に始めている唯一の会社となっています。

そんな日産ですが、実際にはどれだけの規模で展開されているかご存じでしょうか?

今回は、国内・海外のマーケット別に日産の実績をご紹介いたします。

まず、日産の国内マーケット事情についてみていきましょう。

国内第2位の日産自動車はどれだけのマーケットを握っているのでしょうか。

2019年の日産の国内における生産・販売実績は次のとおりとなっています。

・国内生産実績:807,744台
・国内新車販売実績
軽を除いた場合:367,491台(国内シェア11.2%・第2位)
軽を含んだ場合:567,617台(国内シェア11.4%・第5位)
軽を除いた登録車で見るとトヨタに次いで第2位ですが、軽自動車を含めると、ホンダ・スズキ・ダイハツに次いで第5位となっています。
(参考:日産自動車株式会社より)

 

この3社はいずれも軽自動車での強さが目立つメーカーです。

軽自動車は、経済性の高さや運転のしやすさなどもあり、かねてより高い人気があります。

また、車両本体価格が安く、買いやすい傾向にもあります。

日産でも軽自動車の販売はあるものの、執筆時点ではデイズ・デイズルークス・NV100といった3種類のみです。

その差がシェアにはっきりと出た形と言えるでしょう。

しかし、日産には国内メーカーでは数少ない電気自動車を生産・販売しているという強みがあり、独自の路線を進んでいるとも言えます。

さらに、先進安全性能と自動運転技術を兼ね備えた装備のひとつである「プロパイロット」を搭載した車種も多く販売しており、技術力の高さをアピールしています。

日産の海外マーケットはどれくらい?

続いて、日産の海外マーケットについてです。
2019年の日産の輸出・生産・販売実績から見ていきましょう。・輸出実績(日本国内生産):456,225台
・海外工場生産実績:4,150,456台
・海外販売実績:4,608,572台 

うち販売実績地域別は次のとおりです。

北米:1,751,122台
中国:1,546,891台
欧州:566,965台
その他:743,594台
(参考:日産自動車株式会社より)

 

日本からの輸出は、海外販売台数の1割程度に留まっており、多くが海外生産となっていることがわかります。

このあたりはトヨタと大きく違う点です。

また、地域別の販売実績を見ると、北米・中国だけでおよそ7割を占めている計算になります。

特に北米・メキシコ・中国においての生産が盛んで規模が大きいため、こうした傾向になるのは必然とも言えるでしょう。

ルノーと提携していることもあり、グローバルな視点で見てもやはり強いと言えます。

トヨタなどと同様に、これだけ多くの国で生産・販売ができると、一地域の不況で売れ行きが悪かったとしても、他の国で売れ行きが良ければマイナスではないとも考えられるかもしれません。

世界同時恐慌のようなものが起きれば話は別かもしれませんが、これだけ世界規模の企業であれば、そのリスクヘッジができることになります。

なお、2019年の販売グループ別の世界新車販売台数では、日産・ルノー・三菱の三社連合で1,015万台を販売しています。

これはフォルクスワーゲン、トヨタグループに次いで第3位の数字です。
(参考:Responseより)

こうして数字にしてみると、どれだけの規模であるかがはっきりわかります。

一企業の数字だけでは全体感がわからないこともありますので、他の企業と比較してみるのも面白いかもしれません。

ですが、今後も市場が変化を続けていくことは間違いありません。

環境負荷低減のためのヨーロッパの施策により、今後の主流はハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に加えて、電気自動車などの新エネルギー自動車になっていくことが考えられます。

特に、日産では国内メーカーとしては先駆けて電気自動車の普及を開始しています。

さらに、前述したプロパイロットなどの先進技術の投入がなされているため、一般向けにはトヨタよりも一歩先を行っているようなイメージかもしれません。

しかし、世界のトヨタもこの状況をただ黙って見ているわけではないでしょう。

テレビCMも多く打ち出されるようになり、いよいよ本格的に動き出したように見えます。

日産としては、これからも技術力の高さでトヨタに対抗していくのではないでしょうか。 今後も成長を続ける日産自動車から目を離さないようにしましょう。