社用車リースの勘定科目は?費用と仕訳を解説
社用車は広範囲に営業に使うなど、新車を購入しても1.2年後には何万キロも走行距離がのびている場合があります。 多走行の車は、下取りも安く買い替えとなれば、車両価格から諸経費までまとまったお金が必要で、リースを検討する経営者の方も多くいます。 しかし、リースは帳簿上どのような扱いとなるのか気になるところです。 今回は、社用車リースの勘定科目や費用、仕訳について解説していきます。
社用車リースの勘定科目を解説

はじめに、リースとは「車を賃貸する」という意味です。
賃貸といえばレンタカーのイメージがありますが、貸出す方法や期間などは全く違ってきます。
レンタカーのように短期間ではなく短くても1年、長ければ7.8年同じ車をリースする会社もあり、レンタカーのように「わ」ナンバーではなく好きな車種を選べるので一見すれば購入した社用車と変わりはありません。
購入した社用車との違いといえば、経理での仕訳や勘定科目という点です。
ここからは、社用車をリースした場合と購入した場合の費用の仕訳や勘定科目についてご紹介していきます。
社用車リースの費用の仕訳や勘定科目を記述
リースは「ファイナンスリース」と「オペリーディングリース」の2つに大きく分けられます。
日本ではファイナンスリースが用いられることが多く、ファイナンスリースもまた「所有権移転ファイナンスリース」「所有権移転外ファイナンスリース」の2つに分けられるのです。
◯所有権移転ファイナンスリース
所有権移転ファイナンスリースとは、車検証の所有者はリース会社で使用車がリースで車を使う会社に設定します。リース期間が満了すると、リース車は使用者に所有権を譲渡してくれるので実質ローンと同じ仕組みとなっています。
◯所有権移転外ファイナンスリース
一方、所有権移転外ファイナンスリースは、リース期間が満了すれば、リース会社に返却もしくは、再リースか買い取りする必要があります。
日本は、ほとんどがこの所有権移転外リースでの契約です。
例えば、現金決済5,000,000円の車をリースをします。利息を含め総額6,000,000円を50回払いで支払いをした場合、この2つの仕訳方法は、下記のようになります。
車両取得時 | 支払い時 | |
所有権移転ファイナンスリース |
リース資産5,000,000円/リース債務5,000,000円 |
リース債務100,000円支払利息20,000円/現金120,000円 |
所有権移転外ファイナンスリース |
どちらも取得から支払いの仕訳から勘定科目は同じです。しかし、下記のような一定の基準を満たせばリース料で仕訳をすることもできます
●リース期間が1年以内のリース取引
●リース契約1件あたりのリース料総額が3,000,000円以下の場合
このようなリースの場合は減価償却もしなくて問題ありません。
中小企業が対象ではありますが、参考にしてみてください。
社用車購入の費用の仕訳や勘定科目を記述
次に、社用車を購入した場合の仕訳や勘定科目についてみていきます。
購入した場合は、車両本体から諸経費までを細かく分類する必要があります。
総額5,000,000円の車を現金で支払った場合は下記の通りです。
借方 | 貸方 | |
頭金を入れた場合 | 前払金 500,000 | 現金 500,000 |
納車時 | 車両 5,305,000 | 前払金 500,000 |
租税公課 50,000 | 現金 4,932,000 | |
保険料 30,000 | ||
前払金(リサイクル)11,700 | ||
車両費(非課税)5,300 | ||
車両費(課税)30,000 |
このように納車時に細かく諸経費や税金などを区別して仕訳をしておく必要があり、勘定科目が同じ車両費などでも非課税と課税に仕訳しなければならないのです。
社用車リースの契約の流れ
実際、リースで社用車を使う場合、どのような手続きをすればよいのか戸惑うこともあります。
ここからは、リースを契約する時の流れについてその手順をみていきます。
1.欲しい車のディーラーで見積もりをしてもらう
2.見積もりをリース会社に提出する
3.リース会社が審査を行う
4.審査が通ればリース会社と契約をする
5.リース会社がディーラーへ発注をする
6.納品
流れとしてはローンとさほど変わりはありません。
また、審査基準としてリース、信用した上での賃貸であるため財務諸表(営業報告書、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案)や税務申告書の写しなど決算書類が必要となります。
カーリースは、車の賃貸という形なので審査が通ればリース会社からディーラーへ発注をします。
車の所有権は、リース会社で使用者はカーリースを利用する会社となるので、登録には使用者の車庫証明などの書類が必要です。
まとめ
今回は、社用車リースの仕訳や勘定科目について解説してきました。 リースは負債という感覚を持つ経営者もいます。しかし、リースは賃貸するという形なので一定の基準を満たしていれば減価償却も対象外で経理はしやすい方法です。 リースには、仕訳や勘定科目についていくつかパターンがあるので社用車がどのような形のリース契約になっているのかを認識しておくことが重要です。 もし、どうしても仕訳や勘定科目がわからない時には税理士やリース会社といった担当者に尋ねてみることをオススメします。
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