新車購入は、ディーラーなどの自動車販売店でカタログを見たり、試乗したりという段階を経て、直接お店で購入するというのが普通の買い方と思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「これだけインターネットが普及しているんだからネット販売できないの?」と、思われる方もいらっしゃると思います。

では、実際に新車のネット販売は可能なのかどうかを見ていきましょう。

また、日本国内と海外での販売事情はどうなっているのかといったことについてもご紹介いたします。

新車はネット販売が可能なのか

結論から言えば、日本でも新車のネット販売は「可能」です。

ただし、そもそもネット販売と言っても、

・メーカーの直接販売
・メーカーディーラーによる販売
・その他販売店による販売

など、様々なパターンがあります。

 

現時点でメーカーの直接販売を行なっているのは、日本国内では「テスラ」のみです。

一部車種に限られますが、BMWではAmazonで販売を行なっています。

こちらも直販と考えて良いでしょう。

メーカーディーラーではネット販売を行なっている店舗はありません。

ターゲットとなるお客さまは基本的に店舗近隣の方のため、ネット通販をするメリットがなく、実店舗での販売のみとなっています。

 

ですが、メーカーではなく販売店によるネット通販は、実際に行なっている事業者があります。

ただし、ネット通販だからといって、ネットだけで全てが完結するわけではありません。

ネットで購入した場合でも売買契約書の取り交わし等の手続きは必要になりますので、通販サイトでのショッピングほど気軽ではないことは確かです。

国内の新車のネット販売情報

国内の新車ネット販売について

なぜこんなにも日本国内で新車のネット通販が広がらないかと言えば、多くの場合「ネット通販をする必要性がない」ことにあります。

日本は人口密度の高い島国です。

一部離島を除けば、ちょっと市街地に行けばメーカーディーラーや町の自動車屋さんが立ち並んでいます。

そのため、「安い買い物ではない為、近くに車屋さんがあるなら現車を見て、試乗してからの方が安心できる」と思うのは自然な考えでしょう。

数百万円という高額な商品を、現物を見ずに買うことはなかなか勇気がいるものですし、ぽんと買えてしまうのは富裕層くらいです。

ただ、値引き交渉に時間がかかったりしますので、そういった方にはネット販売が適しているのかもしれません。

海外の新車のネット販売情報

世界の新車ネット販売事情

海外における新車のネット販売は、中国で動きが活発になっています。

中国では、大手通販サイト「アリババ」が早くから自動車販売を開始し、なんと2010年から取扱開始していたのです。
(出典:住商アビーム自動車総合研究所より)

2017年にはアメリカの自動車メーカー「フォード」と提携し、新車販売を行なっています。

国土が広く人口規模の大きい中国だからこそ、ネットの普及による通販はメリットが多かったのでしょう。

今後も参入メーカーが増えていけば、ますますネット販売は増えていくと考えられます。

 

アメリカでは、インターネットが普及してからというもの、ディーラーに足を運ぶのは「契約書を交わす時だけ」という現象が多く起こっています。

消費者としては、もはやインターネットで必要な情報が得られるため、ディーラーに行くのは最低限の手続きの時だけで済むと考えているようです。

 

現在では、メーカーのホームページでチャットができ、そのまま本契約まで行なってしまうことができるとのことです。
(出典:carviewより)

相談から購入まで一気にできてしまうのは非常に魅力的ですし、何より面倒な価格交渉をするためにわざわざディーラーに足を運ぶ必要がない、というのは大きなメリットです。

ただ、こうした「店舗からの客離れ」が懸念され、ディーラー側としてはなんとかお客さまに足を運んでいただくために、試乗などができる「体験スペース」を設けるなどして集客を行っている所もあります。

■新車仕入れ(業販)サービス

まとめ

日本国内において普及しつつある新車のネット販売ですが、国内メーカーが本腰を入れてネット通販を行うのはまだ想像がつかない話ではあります。

海外、特に中国でのネット販売の普及の速度は目を見張るものがあります。

市場規模の大きさから、世界各国が目を向けている市場ですし、これからますます伸びていくことが予想できます。

今後新車のネット販売が活発になっていくと、自動車ディーラーの存在意義がなくなってしまうかもしれません。