2020年の東京オリンピックに向けて、自動車メーカー各社は、水素を使用した燃料電池車、電気/プラグインハイブリッドバス、自動走行車、次世代交通システムをキーワードに準備を進めています。

東京オリンピックにおいては、クルマと社会インフラシステムの融合とクルマの知能化を見据えて、公共交通機関の充実や、21世紀の都市ライフラインの実現を行い、オリンピックで東京に訪れる方々に先進技術をアピールする最良の場と考えられています。

今回は、トヨタのスポーツを通じた平和で差別のない社会づくりとモビリティを通じた持続可能な社会づくりへの貢献を目指し進めている東京オリンピックに向けての動向を中心にご紹介いたします。

オリンピックの開催により、インフラ環境の整備が一気に進んだのは、前回の東京オリンピックです。

首都高速道路の整備や環状7号の整備開通し、日本の高度経済成長時代を支える交通システムが構築されました。

マイカーが無い時代からマイカーを持つ時代へと大きく変化し、日本の自動車業界は急激に発展しました。

燃料電池バスは自動運転を目指す

燃料電池バス

トヨタ自動車と日野自動車が共同開発している燃料電池バスは、東京オリンピック開催期間中に選手村や競技会場を結ぶルートを運転手を必要としない自動運転になる可能性も高くなっています。

運転手を必要としないといえ、万一の不具合に備えて運転手は乗りこみますが、基本自動運転となる見通しです。

大会専用道路となり、一般車両が進入しない交通事情であれば、十分実現可能です。

トヨタ自動車は、燃料電池バスの他、既に市販化されている燃料電池自動車「MIRAI」、豊田自動織機製の燃料電池フォークリフトなど、大会公式車両3,000台以上の提供を予定しています。

全ての人に移動の自由を~トヨタの取り組み

トヨタ自動車は、東京で開催される東京2020大会を通じ、障害のある人も含めた全ての人に「移動の自由」を提供することに挑戦しています。

そして、今後は次の3つがポイントになってきます。

・自動運転SAEレベル4相当の実現へ
・車いす乗車可能なウェルキャブ車の提供
・大会関係者のための小型モビリティの提供

◯自動運転SAEレベル4相当の実現へ

東京の臨海副都心地区や羽田地区の特定エリアにて、自動運転の実証実験やシュミレーションが行われています。

SAEレベル4とは、緊急時においても運転手を必要とせず、すべてシステム任せの自動運転となります。

ただし、限定エリア内と条件が付くため、他のエリアで他の交通と一緒になって走行する場合には運転手を必要とするため、ハンドルやブレーキ、アクセルは装備されます。

大会開催中の限定エリア内の自動運転を実現させ、誰もが自由に移動できる未来を目指しています。

◯車いす乗車可能なウェルキャブ車の提供

東京2020大会にてパラリンピックも同時開催されます。

障害を持つ方々のためトヨタの福祉車両であるウェルキャブシリーズが提供されます。

ウェルキャブ車は既に多くの車種で市販化されていることから、バリアフリーなモビリティーの提供が約束されています。

◯大会関係者のための小型モビリティの提供

TOYOTAi-Roadなどの小型の1人~2人乗りの電気自動車を、大会警備スタッフや大会スタッフ用に提供を予定しています。

人工知能によって会話ができる自動車

TOYOTA Concept-愛i

人工知能による人の感情認識などを行い、会話を行うことが可能なエージェンド機能を搭載した「TOYOTAConcept-愛i」のデモンストレーション走行による新しい移動体験の形を提案しています。

各国の言語に対応することで、行先を伝えるだけで目的地へ向かう自動運転の移動手段としても期待されています。

まとめ

現在、世界中の大都市において、大気汚染や交通渋滞、事故、障害者の移動問題などモビリティに関わる多くの問題が山積しています。

トヨタ自動車は東京2020大会を皮切りに、2022年の北京大会(冬)、2024年のフランスパリ大会までパートナーシップを通じて、モビリティに関わる問題の解決に向け、持続可能なモビリティ

社会の実現に向けたインフラ構築への貢献を目指しています。