日本には中国自動車メーカーのディーラーがないため、自動車メーカーが存在することすら知らない方も多いのではないでしょうか。

では、なぜ日本に中国の自動車メーカーディーラーができないのでしょうか?

日本に中国メーカーのディーラーができない理由としては、大きく分けて以下の2点が挙げられます。

1.中国市場はまだまだ発展途上

2.中国が独自に力を入れているEV

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

中国市場

中国国内での販売台数は2018年で2800万台と、圧倒的世界一です。

それでいて今後も販売台数が伸びていくという予測がなされているため、国内でのニーズに応えることを優先としていることが考えられます。

というのも、販売台数こそ世界一であるものの、中国国内の自動車普及率はまだまだ低い状況にあります。

日本やアメリカ、ドイツなどと比べると次の通りです。

 

<自動車普及率>

2位・・・アメリカ
14位・・・日本
18位・・・ドイツ
91位・・・中国

(参考:Global Noteより)

 

このように、まだまだ伸びしろがあることがわかります。

伸びしろのある世界一のマーケットを逃すわけにはいかないでしょう。

だからこそ、中国メーカー各社は国内での販売に注力していると考えられます。

中国が独自に力を入れているEV

中国は、EVに力を入れています。

そして現状では、EVを日本で販売するためにディーラーを展開するほどの費用対効果が感じられない、というのが日本に中国メーカーのディーラーができないもう一つの理由です。

中国の自動車メーカー単体で見ると、自動車製造技術は向上しているものの、ガソリン車の技術力はまだまだアメリカ・ドイツ・日本には追い付いていません。

そのため、他国と同じようなスタートラインに立てるEVの製造にシフトしてきているのです。

外資系だとテスラが中国に工場を建設したというのは有名な話ですが、実は中国メーカーではすでにいくつかのEVが製造・販売されています。

そのEVを今後輸出の主力商品にしたいと考えているわけです。

しかし、現状日本のEV普及率は1%未満と伸び悩んでいます。

この状況下で中国の自動車メーカーがEVを日本に持ち込んだとしても、他のガソリン車主力の自動車メーカーに対抗できるだけの市場ではありません。

また、これまで日本で中国メーカーの車が走っているところを見たことのある人はほぼおらず、既存の日本車ユーザーを振り向かせるだけのブランド力をいきなり発揮できるとは思えません。

これらのことから、中国の自動車メーカーは日本に自動車ディーラーを作ろうとしないと考えられます。

また、日本でEVが普及していない理由としては、

・充電ステーション数に対しての不安
・EVに対して補助金が少ない

など、不安要素があることや優遇措置があまり見受けられないということがEV普及の低さの原因だと考えられます。

まとめ

中国のディーラーができない理由としては、

1.中国市場はまだまだ発展途上
2.中国が独自に力を入れているEV

の2点が挙げられました。

とはいえ、今後中国のEV市場が盛り上がってくれば、世界最大の自動車市場がEVになる可能性があり、中国メーカーが日本に進出してくることが考えられます。

そうなれば、世界的に自動車メーカーはEV車の生産に変わっていくことが考えられます。

日本においてはまだEVの普及率はもちろん、販売されている車種も少ないため、エネルギーシフトの観点からも今後の対策が必要になってくるでしょう。

まさに今は自動車大国日本の変遷期かもしれません。