軽自動車は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、総排気量660cc以下の規格に該当する三輪または四輪の自動車を指します。

軽自動車の規格は、1949年に初めて制定され以降、規格の改正、拡大を繰り返し、現在の軽自動車の規格は1998年に改正された規格が適用されています。

軽自動車は、トラック、バン、乗用車、ワゴンタイプなど様々なボディタイプが用意されます。

自動車税が安いことから「軽自動車は維持費が安い」とのイメージが強く、非常に人気が高い車種でもあります。

今回は、2018年度上期(4月から9月)にもっとも売れた軽自動車5車種を紹介するとともに、軽自動車のメリット及びデメリットを紹介します。

ホンダ N-BOX

◯1位 ホンダ N-BOX

2018年度上期販売台数 117,100台

日本で最も売れているクルマがN-BOXです。

日本にベストな新しいのりものを創造したいというホンダの思いが込められたN-BOXは、2011年に発売され、新型軽乗用車「N」シリーズの第一弾モデルとして登場しました。

軽乗用車の概念を超えた広い室内空間と快適性、経済性を実現し、軽自動車ながらミニバン同様の快適性を持つクルマです。

N-BOXには、ノーマルモデルとカスタムモデルがあり、カスタムはスポーティかつ上質なデザインに仕上げ人気のモデルです。

2017年に発売された2代目モデルは、先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を採用するなど、安全面も充実させ、幅広い世代の方々から高い支持を得ています。

スズキ スペーシア

◯2位 スズキ スペーシア

2018年度上期販売台数 73,606台

スペーシアは、背の高い軽乗用車パレットに継ぐモデルとして、2012年に発売されました。

室内の広さと低燃費、高い走行性能と安全性能を併せ持ち、軽自動車ならではの使いやすさを高次元で融合させた新しい軽ハイトワゴンとして開発されました。

2017年に発売された2代目モデルは、安全装備で衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」を搭載し、30km/hまでの追突被害軽減ブレーキレベルから進化し、高速域での警告・被害軽減ブレーキに対応しました。

最大の特徴は、軽自動車ながらモーターがアシストするハイブリッドエンジンを搭載していることでしょう。

これまでのSエネチャージになかった機能としてモーターのみでクリープ走行が可能になっています。

軽トールワゴンでありながら30.0km/L(JC08モード)の低燃費であるとともに、スポーティなスペーシアカスタムにはハイブリッドターボエンジンも用意されています。

また、力強さとエコを両立したパワーユニットが特徴です。

ダイハツ タント

◯3位 ダイハツ タント

2018年度上期販売台数 63,273台

タントは、2003年の発売以来、軽自動車の常識を覆す広さで軽モアスペースという新しいカテゴリーを作ってきました。

2007年に発売された2代目モデルより採用された助手席側センターピラーレスの「ミラクルオープンドア」は、使い勝手の良さから子育て世代の女性を中心に多くの方々から評価を得ました。

2013年に発売した3代目モデルは、先進安全装備の「スマートアシスト」を改良ごとに進化させ、ステレオカメラを採用し歩行者も認識可能なⅢまで進化しました。(2019年3月現在)

タントにはコーナーでのロールを軽減し走行安定性と乗り心地を向上させるスタビライザーが前後に搭載(4WD車はフロントのみ)されています。

また、乗り心地の良い軽ハイトワゴンとしての特徴もあります。

日産 デイズ

◯4位 日産 デイズ

2018年度上期販売台数 63,177台

デイズは、日産が企画段階から開発に携わった初めての軽自動車として2013年に発売されました。

日産と三菱が設立した合弁会社NMKVがリリースした初めてのモデルです。

タッチパネル式オートエアコン、上から丸見えのアラウンドビューモニターなど最新の装備を搭載しており、ムーヴ、ワゴンRなどの強力なライバルの存在する軽ハイトワゴン市場に真っ向勝負しました。

2019年3月には新型デイズが発売されています。

スポーティなデザインのハイウェイスター中心の販売展開が予想できる内容で、ハイウェイスターにのみモーターのアシストがあるシンプルハイブリッドを搭載し、半自動運転技術「プロパイロット」を軽自動車に初搭載しました。

最上級グレードのハイウェイスターGターボプロパイロットエディションの価格は164.7万円(2WD税込)でコンパクトカー並みの価格に抑えられています。

ダイハツ ムーヴ

◯5位 ダイハツ ムーヴ

ムーヴは、1995年に初代モデルが発売されました。

ダイハツ初のスペース系軽自動車として発売し、ダイハツの中心車種として老若男女問わず多くの方々から高い評価を得ています。

次世代ベストスモールをめざし開発されたムーヴは、軽自動車の本質と言える、低燃費で低価格をベースに、軽量高剛性ボディ骨格構造や足回りの改良をすすめ基本性能を高めています。
タント同様、コーナーでのロールを軽減し走行安定性と乗り心地を向上させるスタビライザーが前後に搭載(4WD車はフロントのみ)されています。

ムーヴは先進安全装備スマートアシストⅢを搭載したモデルで、1,177,200円(LSAⅢ税込)という低価格な車両本体価格が魅力であり、スポーティさやカッコよさを求める方々にはムーヴカス

タムも用意されており、こちらは普通車のような上質なインテリアが魅力です。

参考:2018年4月から9月 軽四輪車通称車名別新車販売確報 全軽自協より

軽自動車のメリット

軽自動車は、コンパクトなボディで運転しやすいメリットがあります。

背の高い軽ワゴン車も増えており、大人4人が快適に移動できる室内空間を 確保し、リアシートスライドや格納機能により、荷物の量に応じたシート アレンジも魅力的です。

維持費の面では自動車税が年間10,800円 (2015年3月31日までの新規登録車は7,200円)で普通車の1/3程度の 税負担で済み、車検の際の自動車重量税も安くなっているメリットがあります。

軽自動車は、高速道路通行料金が普通車よりも若干安く、2000年9月までは 最高速度は80km/hでしたが、同年10月以降は普通車同様100km/hになり普通車との 制限による差が無くなっています。

都市部では、軽自動車専用の駐車場や狭い 駐車場が目立ちますが、軽自動車ならコンパクトなため駐車場が利用しやすいメリットがあります。

軽自動車のデメリット

軽自動車は規格上660ccのため、ターボが付いておらずパワー不足感は否めません。

高速走行時のゆとりと静粛性は普通車に敵わないという面もあります。

乗車定員に関しては、5人乗れそうなクルマも多くありますが、軽自動車は4名までです実際に5人乗ってしまうと違反になるため、5人乗る機会がある方には不向きかもしれません。

また軽自動車は新車価格が上昇しています。

普通車のコンパクトカーと車両価格が同等または高価なケースもあります。

維持費の面では、自動車税や重量税は安くても自動車保険や自賠責保険料は差がありません。

燃費の面では、カタログ上は良くても実際に走る際には普通車よりアクセル踏込量が多いため燃費が悪化します。

普通車コンパクトカーの方が実燃費が良いケースもあるので注意が必要です。

まとめ

コンパクトで扱い易い軽自動車は、税制面を中心に維持費が安いことから人気です。

コンパクトなボディゆえに安全性能に不安を持つ方々も少なくありませんが、安全ボディの進化、衝突軽減ブレーキなど先進安全装備の拡充など普通車と同等の装備が魅力的です。

室内空間の広さから、背の高いトールワゴンが各メーカーで高い人気を得ています。

内装の質感も高い軽自動車が多く、普通車からのダウンサイジングユーザーも少なくありませんので、これからも軽トールワゴンは高い人気を維持することが予想されます。