購入したての新車でドライブするのは気分が良いものです。

ところでユーザーの手元に愛車が納車されるまで、どのような流れになっているかご存じの方は意外に少ないのではないでしょうか。

新車とは、一体どこから、どのような手順で運ばれてくるのか解説いたします。

新車業販の流れ

新車が公道を走行するためには道路運送車両法に適合しているか、運輸支局や自動車検査登録事務所で検査を受けなければなりません。

新車全てを持ち込み、検査すると膨大な検査数となるため、あらかじめ各メーカーが車種ごとの型式指定を事前申請し、各項目ごとにチェックして完成検査終了証を発行します。

これには有効期限があり、9ヶ月以内となります。

まず新車の注文が入ると、メーカーでは工場に製造を指示します。

車の組み立てが完成すると一台ずつ、それぞれに個別の製造番号を発行します。

製造ラインの最終工程として、完成検査が行われますが、これは国の定める安全基準を満たしているか、自動車検査員の資格を持った社員がおよそ100以上の検査項目をチェックしていきます。

厳しい検査をクリアして、無事合格となれば出荷されることになりますが、この完成検査終了証は車検証の発行申請時に必要となります。

完検渡しとは、所有者がまだ確定していない、すなわち車検証を有さないままの状態での引き渡しを意味しています。

この時点では所有者もナンバープレートも決まっていないため、公道を走ることはできません。

完成検査渡し(完検渡し)とは?

完検渡しは基本的に業者間でも多くはないため、あまり聞きなれない言葉かもしれません。

では、何故あまり完成検査渡しが行われないのかについてご説明いたします。

 

第一に、ディーラーが一般ユーザーに対して完検渡しをすることはまずありません。

業販店に対しても特殊な場合(予備検査が必要な改造など)を除き完検渡しはしません。

なぜなら、登録業務をすることで各種代行手数料を請求できるからです。

車の購入は頻繁にしてもらえる訳ではないので、必要がないのに完検渡しをして収益を減らさないという事です。

 

他にも理由はあります。

車は登録商品なので先にお客様から入金して頂いても登録が終わらないと預かり金扱いになります。

その為、ディーラー営業マンはできるだけ月内に登録をしたいというのが本心です。

その他にも理由はありますが、登録業務は営業マンにとってそれだけ重要だという事です。

それだけ重要な登録業務をわざわざ販売先に任せないというのがおおまかな理由になります。

登録渡しとは?

車は自動車検査証(車検証)がないと、公道を走ることができません。

保安基準に適合していうことを証明するもので、個々の車に関する情報が細かく記載されています。

所有者と車を特定し、個別のナンバープレートを装着して初めて走行可能となるわけです。

そのためには運輸局に車を持ち込み、検査を受けて合格すれば後は書類申請して発行となります。

しかし、通常はほとんどのメーカーが出荷時に発行した完成検査終了証をもって検査は省略されます。

そうして車検証の発行とナンバープレートを装着した状態で引き渡されるのが登録渡しです。

全ての手続きが終わっているため、すぐにその場で車に乗ることができます。

完検渡しと登録渡しの違いは?

各メーカーの工場で製造されている新車は全て、組み立てられて完成した後、工程の最後に、資格を有した検査員によって国の基準を満たしているか、厳しい完成検査を行います。

クリアした新車には完成検査終了証が発行され、全国のディーラーへ卸されていきます。

ここまではどの車も同じです。

 

このままの状態で引き渡されるのが完検渡し、

管轄の運輸支局へ申請して本登録をした車での引き渡しが登録渡しです。

 

完成検査終了証についてはこちら

まとめ

完検渡しと登録渡しの違いについてご紹介いたしました。

完検渡しは特殊な場合以外は業販ができない事や、車は登録商品という事もありますので、ここでも利益が発生している事は抑えておきましょう。

また、消費者にとっては、車を購入する際はディーラーにて登録を行います。

したがって、全て登録渡しになるため、あまり縁がないかもしれませんが、完検渡しと登録渡しの違いについては覚えておいてもいいかもしれません。