介護をサポートするクルマは、福祉車両と言われる分野になります。

お体の不自由な方にとって、移動手段は限られています。

特にコロナの影響下においては、公共交通機関を利用する危険性は計り知れず、車の価値が見直されつつあります。

障害を持たれている方や高齢者にとって、通勤や通院など様々なシーンで車が必要になってきます。

身体状態に不具合があっても、社会へ参加し貢献している方も多く、その機会も以前より多くなっている今、ますます移動する機会が増えてきおり、お体の状態に応じてたくさんの装備が用意されています。

介護のための福祉車両とはどのようなものか、ご紹介いたします。

 

・自操車・・・お体の不自由な方がご自身で運転することを目的としてその補助を装備したタイプ
・同乗タイプ・・・お世話する方が同乗するタイプ

 

このように、介護用の福祉車両には二つのタイプがありますが、さらに用途別で分けることができます。

お世話する方が運転して、お体の不自由な方が同乗するタイプとして、5つのタイプに分類されているのです。

①スロープ車・・・後部にスロープが収納されており、乗降時に使用して、車いすに乗ったまま車内へ乗り込むことができます。

②リフト車・・・車内に格納されているリフトの装置が車外に出され、車いすごと載せて昇降します。装置の構造上、大型のクルマに装備されています。

③助手席スライドドリフトアップシート車・・・助手席が回転、スライドして車外へ出てきて立ち上がりや着座を補助します。

④助手席回転シート車(トヨタ車のみ、チルト機能有)・・・助手席が回転し、足を出し入れしやすくします。

⑤サイドリフトアップシート車・・・2列目リアシートが回転してスライド、車外へ大きくせり出して立ち上がりや着座を補助します。

 

トヨタのアルファードなど、シートが脱着して、そのまま車いすとして使用できるものもあります。

各メーカー、それぞれ呼称は違いますが、内訳は変わりません。

タイプ トヨタ
ウェルキャブ
ニッサン
ライフケアピークル
ダイハツ
フレンドシップシリ-ズ
スズキ
WITHシリーズ
ホンダ
スロープ車 シエンタ、ヴォクシー、ノア NV100クリッパーリオ、
セレナ、NV200バネット
タントスローパー
(カスタム)、
アトレースローパー
(カスタム)、
ハイゼットスローパー
スペーシア、エブリィ、
エブリィワゴン
N-BOX、
フリード+、
ステップワゴン
リフト車 ハイエース セレナ、キャラバン、
NV350キャラバン
助手席スライド
リフトアップ
シート車
ルーミー、ヴォクシー、ノア ルークス、エルグランド、セレナ、
エクストレイル
タントウェルカムシートリフト
(カスタム)、
ムーブフロントシートリフト
(カスタム)、
トールシートリフト
ワゴンR、
ワゴンRスティングレー
フリード、
ステップワゴン、オデッセイ
助手席回転
シート車
プリウス、
プリウスPHV、
シエンタ、
ヤリス、アクア
オーラ、ノート タントウェルカム
ターンシート
(カスタム)
N-WGN、
フィット、
シャトル
サイドリフトアップシート車 アルファード、
ノア、
ヴォクシー
セレナ、エルグランド フリード、
ステップワゴン、
オデッセイ

一方、自操式は、トヨタのプリウスとアクア、ホンダのフィットが該当車種となります。

足が不自由な方は手元で操作するなどの補助装置が装備されています。

介護の福祉車両はどう選べば良いの?

今では福祉車両の種類も増え、数ある中から選べる時代になってきました。

例えば、常時車いすを使用しておられる方なら、車いすごと乗車できるタイプがおすすめです。

いつも通院している病院など目的地の駐車スペース、自宅の駐車場のサイズにあわせるのがベストですね。

もし、クルマの座席と車いす間の乗り換えがしやすい方なら助手席の回転シートタイプや助手席スライドドアップシートが良いでしょう。

膝や足元が自分で動かしにくい方には少し乗り降りがしにくいかも知れません。

その場合はサイドリフトアップシート車がおすすめです。

大きく車外へせり出すタイプなら足回りに余裕があり、また両側からの介助もしやすくなります。

常に据わった状態を保つのが難しい方には、ストレッチャーで乗車できるタイプも有効です。

最近では、ご自身で運転を希望する方も増えつつあります。

スライドシートが運転席側にセットできる車種も出ていますし、足の不自由な方や手の不自由な方向けの運転補助装置が開発されています。

まとめ

介護が必要になったら、移動手段として威力を発揮する福祉車両は、目的別に必要な装置を搭載した車種を選べる時代になってきました。

またその装備だけでなく、デザインも楽しめるようなバリエーションが増えています。

使用目的に加え個性を表現する車として楽しめる未来はもう現実になりつつあります。